2026.04.01
2007(平成19)年5月改定
2012(平成24)年6月全文改定
2015(平成27)年3月改定
2026(令和8)年3月改定
- 第1章 総則
- (目的)
- 第1条
本ガイドラインは、インターネット広告ビジネスにおいて、広告主の広告を取り扱う際に、広告の表示内容が法令や公序良俗に反しない適正なものであるよう、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下「当法人」という。)の会員社が独自に基準を定めて判断を行うとの認識のもと、踏まえるべき規範や原則的な考え方を定めるものである。- (1)本ガイドラインの趣旨
- 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、「インターネット広告ビジネス活動の環境整備、改善と向上」を目的[1]として設立され、活動するものである。
インターネット広告は、インターネット上の多様な広告メディアの発展と広告技術の革新によって大きく成長し、企業と消費者の広告コミュニケーションの手段として重要な位置を占めている。社会のデジタル化が進む中で、消費者がインターネット広告を通じて安心して有益な情報を取得し、豊かな消費生活に役立てることができるよう、信頼性と安全性を確保することが求められる。本来、広告内容に関する責任は広告主にあるが、インターネット広告の及ぼす社会的影響を考慮し、当法人の会員各社は、消費者の利益を守り、不適正な広告を排除することによりインターネット広告の信頼を保つことが不可欠である。
本ガイドラインは、当法人の定める「インターネット広告倫理綱領」[2]と「JIAA行動憲章」[3]の趣旨に基づき、広告掲載及び配信の実務の論拠となる業界の指針として作成したものであり、会員社が広告掲載基準の策定及びその運用の際に参考とすることを目的とする。
[1]目的
JIAA定款 第2条 「当法人は、インターネットを利用して行われる広告活動が、デジタルコンテンツやネットワークコミュニケーションを支える経済的基盤である、という社会的責任を認識しながら、インターネット広告ビジネス活動の環境整備、改善、向上をもって、広告主と消費者からの社会的信頼を得て健全に発展し、その市場を拡大していくことを目的とする。」[2]インターネット広告倫理綱領
JIAAに加盟する会員社がインターネット広告の取扱いに当たって念頭に置くべき基本原則。次の4項目の宣言からなる。
・広告は社会の信頼にこたえるものでなければならない
・広告は公明正大にして、真実でなければならない
・広告は関係諸法規に違反するものであってはならない
・広告は公序良俗に反するものであってはならない[3]JIAA行動憲章
適法・適正な事業活動をより高い倫理感をもって行うことを基本姿勢とする6項目からなる会員各社の行動指針
- 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、「インターネット広告ビジネス活動の環境整備、改善と向上」を目的[1]として設立され、活動するものである。
- (2)本ガイドラインと会員各社の広告掲載基準との関係
- 本ガイドラインは、インターネット広告の掲載や配信に関係する業界関係者すべての標準の指針として定めたものであり、以降の条項は会員の取り扱うインターネット広告に関する業務に適用する。但し、会員各社の広告掲載基準を直接拘束するものではなく、会員各社の掲載判断については、会員各社が独自に定める広告掲載基準が優先される。
- 本ガイドラインは、インターネット広告の掲載や配信に関係する業界関係者すべての標準の指針として定めたものであり、以降の条項は会員の取り扱うインターネット広告に関する業務に適用する。但し、会員各社の広告掲載基準を直接拘束するものではなく、会員各社の掲載判断については、会員各社が独自に定める広告掲載基準が優先される。
- (定義)
- 第2条
- (1)インターネット広告の定義
- インターネット上の広告・宣伝はさまざまな手法があるが、当法人の定める「インターネット広告」とは、PCやモバイル等通信端末上のウェブサイト・アプリケーション(以下「サイト・アプリ」という。)など媒体事業者が運営するインターネット上の媒体に用意された有償の広告掲載枠[4]に対して、媒体事業者[5]が自らの媒体に掲出する広告、または配信事業者[6]が配信し媒体に掲出される広告と定義する。
なお、インターネット上の広告・宣伝において、「広告掲載基準の策定及びその運用の際に参考とすることを目的とする」という本ガイドラインの趣旨に沿って、次のものは当法人の定める「インターネット広告」の定義に含まない[7]こととする。
- 企業等が自ら所有するサイト・アプリ(自社ECを含む)や運用するソーシャルメディア上で行う宣伝・販売活動
- ECモールの店舗上での商品情報や求人、不動産、店舗情報などの専門情報サイト・アプリでの掲載情報やクーポン (但し、一覧として掲載される情報の上位や特集ページなどの広告掲載枠に別途有償で掲載される広告は含む)
- 企業等がソーシャルメディア利用者やブログ運営者等の第三者を通じて行う口コミ等のマーケティング活動やアフィリエイトプログラムを利用した販売促進活動 (但し、媒体事業者が自らの媒体に設けた広告掲載枠にアフィリエイトプログラムにより掲載される広告は含む)
[4]インターネット上の媒体に用意された有償の広告掲載枠
インターネット上の媒体には、情報(コンテンツ)メディア、ソーシャルメディア、検索サービス、メールマガジンなど多様なものがあり、媒体やコンテンツの特性に応じてディスプレイ広告、リスティング(検索連動型)広告、ビデオ(動画)広告、タイアップ広告やスポンサードコンテンツなど、様々な広告フォーマットや手法が存在する。[5]媒体事業者
情報やサービスを提供するサイト・アプリ等を所有・運営し、それらの中に設けた広告掲載枠に広告を掲載する事業者をいう。自ら広告を掲載・配信する場合と、他の配信事業者から配信された広告を掲載する場合がある。
[6]配信事業者
他の媒体事業者が所有・運営するサイト・アプリ等の中に設けられた広告掲載枠に対して広告を配信する事業者をいう。
[7]当法人の定める「インターネット広告」の定義に含まない
「インターネット広告」の定義に含まないインターネット上の広告・宣伝に対して、当法人の会員社が本ガイドラインの趣旨に沿って「インターネット広告」と同様に取り扱う場合において、本ガイドラインを適用することを妨げない。
- インターネット上の広告・宣伝はさまざまな手法があるが、当法人の定める「インターネット広告」とは、PCやモバイル等通信端末上のウェブサイト・アプリケーション(以下「サイト・アプリ」という。)など媒体事業者が運営するインターネット上の媒体に用意された有償の広告掲載枠[4]に対して、媒体事業者[5]が自らの媒体に掲出する広告、または配信事業者[6]が配信し媒体に掲出される広告と定義する。
- (2)インターネット広告の範囲
- インターネット広告の範囲については、基本的には、広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告[8]そのものがインターネット広告の範囲であると定義する。
なお、広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告そのものだけではなく、広告からのリンク先での表示も含め、一体として広告であると評価されることが多いため、そのようなリンク先のページまで一体として捉えるべきとの意見も存在するところであるが、リンク先までを広告と捉えるとその範囲を確定することが非常に困難である。このような複雑性に鑑み、「広告掲載基準の策定及びその運用の際に参考とすることを目的とする」という本ガイドラインの趣旨を優先し、上記のとおり定義する。
[8]広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告
媒体事業者が広告主から依頼を受けて有償で掲載する広告を意味し、通常の広告掲載枠として取引しているか否かに関わらない。
- インターネット広告の範囲については、基本的には、広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告[8]そのものがインターネット広告の範囲であると定義する。
- (責任)
- 第3条
- (1)広告主体と広告内容の責任
- 広告実施の主体は広告主であり、広告の内容に関する一切の責任は、広告主自らが負う。広告主は、自らの広告や広告からのリンク先が関係法令や倫理規範に適合したものであるよう、適切な表示・表現の管理、及び消費者への説明責任を果たすことが求められる。
媒体事業者及び配信事業者は、原則として広告内容に関する責任を負わない[9]が、個別の事情によっては例外的に責任を負うことがある[10]ことに注意が必要である。
[9]原則として広告内容に関する責任を負わない
「日本コーポ事件」(最判平成元年9月19日・集民157号601頁)では、「広告掲載に当たり広告内容の真実性を予め十分に調査確認した上でなければ新聞紙上にその掲載をしてはならないとする一般的な法的義務が新聞社等にあるということはできない」とされた。消費者が新聞に抱く信頼感を重視した上で、「広告媒体業務に携わる新聞社並びに同社に広告の仲介・取次をする広告社としては、新聞広告のもつ影響力の大きさに照らし、広告内容の真実性に疑念を抱くべき特別の事情があって読者らに不測の損害を及ぼすおそれがあることを予見し、又は予見しえた場合には、真実性の調査確認をして虚偽広告を読者らに提供してはならない義務」があるとされたが、その義務は限定的であり、本件において媒体事業者及び仲介した広告事業者は不法行為責任を負わないと判断された。[10]例外的に責任を負うことがある
「パチンコ攻略法詐欺広告事件」(大阪地判平成22年5月12日・判時2084号37頁)では、「真実性の調査確認をして虚偽広告を読者らに提供してはならない義務」に違反したとして、雑誌社及び広告代理店が不法行為責任を負うと判断された。但し、本件はパチンコ攻略法を記事とする専門雑誌にパチンコの打ち子に応募すれば月額100万円以上の収入が得られるとの詐欺的な広告を掲載した事案で、特に雑誌社はパチンコ業界の事情に詳しいことから「広告内容の真実性に疑念を抱くべき特別の事情」があると判断されたものであり、媒体事業者及び仲介した広告事業者に対して広く一般的な義務として広告内容の真実性の調査確認義務を認めたとは解されない。
- 広告実施の主体は広告主であり、広告の内容に関する一切の責任は、広告主自らが負う。広告主は、自らの広告や広告からのリンク先が関係法令や倫理規範に適合したものであるよう、適切な表示・表現の管理、及び消費者への説明責任を果たすことが求められる。
- (2)広告掲載判断
- 広告媒体への掲載判断は、媒体事業者及び配信事業者が自らの基準に基づいて行う。掲載判断は、広告に関する法令を遵守し、公序良俗に反する内容を排除することにより、消費者を保護し、自社の信用を確保することの他、以下の目的で行うものである。但し、広告内容に対する広告主の責任を軽減するものではなく、広告の表示・表現に起因する広告主の法的リスク等を除去する目的で行うものではない。
- 自らの媒体特性に適合した広告の掲載による媒体の価値や品質の維持
- 配信する広告の品質を管理することによる媒体との関係性における広告配信サービスの信頼の確保
- 広告媒体への掲載判断は、媒体事業者及び配信事業者が自らの基準に基づいて行う。掲載判断は、広告に関する法令を遵守し、公序良俗に反する内容を排除することにより、消費者を保護し、自社の信用を確保することの他、以下の目的で行うものである。但し、広告内容に対する広告主の責任を軽減するものではなく、広告の表示・表現に起因する広告主の法的リスク等を除去する目的で行うものではない。
- (3)媒体事業者と配信事業者の責務
- 媒体事業者及び配信事業者は、消費者に広告情報を伝える役割を担う者の責務として、適正な表示・表現の広告を掲載・配信するよう努めるべきである。とりわけ、健康、医療、金融、投資などの消費者の身体や生命、財産に大きな影響を与えかねない分野[11]に関しては、掲載判断に慎重を期すことが望ましい。
なお、広告掲載においては、多様な媒体と多数の広告が複雑な経路で流通しているため、不適正な広告が流通経路に紛れ込むことがある。広告を掲載・配信する事業者は、本ガイドライン第2章第6条に定める禁止事項に抵触する広告を常に排除すべきであるとともに、他者から指摘を受けた場合は自らの基準に沿って適切に対処する必要がある。
[11]大きな影響を与えかねない分野
関連する法律による広告規制に加え、各分野の産業界の広告に関する自主規制基準や広告表示ガイドライン等にも十分に留意する必要がある。
- 媒体事業者及び配信事業者は、消費者に広告情報を伝える役割を担う者の責務として、適正な表示・表現の広告を掲載・配信するよう努めるべきである。とりわけ、健康、医療、金融、投資などの消費者の身体や生命、財産に大きな影響を与えかねない分野[11]に関しては、掲載判断に慎重を期すことが望ましい。
- (適用範囲)
- 第4条
本ガイドラインは、当法人の会員社と会員社が扱うインターネット広告に適用される。- (1)媒体事業者と配信事業者との間の広告掲載契約における取扱い
- 媒体事業者や配信事業者は、広告掲載にかかる契約を行う際には、媒体事業者や配信事業者が独自に定める広告掲載基準に適合することを前提とするとともに、広告掲載基準に適合しないと判断した場合は、自社の意思で自由に広告掲載・配信を停止する権限を確保しておくことが望ましい。本来は媒体事業者と配信事業者の両方の基準を満たした広告のみが最終的に掲載されるべきであり、各社それぞれの基準に満たない場合は各自で停止させるべきである。また、配信事業者から配信を受けて広告を掲載する媒体事業者が、自らが定める広告掲載基準に適合しないと判断した場合は、配信事業者は、媒体事業者からの掲載停止の求めに応じて当該広告の配信を停止できるような環境を整えておくことが望ましい。
- (2)広告のリンク先の表示について
- インターネット広告の定義における範囲は、基本的には、広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告そのものであるが、媒体事業者と配信事業者による広告掲載判断の過程では、広告掲載枠に掲載される広告そのものの表示内容はもちろん、リンク先での表示内容も十分考慮するべきである。なお、広告審査業務において、リンク先ページのどの範囲まで確認する必要があるかについては、その広告の目的[12]や表示内容に基づき、個別に判断することになる。
また、インターネットの性質上、いったん広告掲載を開始した後に、広告主によってリンク先のページの内容が変更されることがある。媒体事業者と配信事業者は、広告主によって広告掲載後にリンク先の内容等が変更された場合、その変更内容を確実に検知することは困難であるが、再確認できる体制を整えておくことが望ましく、広告主も速やかに通知すべきである。
[12]広告の目的
訴求対象の商品やサービスそのものや、訴求する内容を検討する。
- インターネット広告の定義における範囲は、基本的には、広告媒体の広告掲載枠に掲載される広告そのものであるが、媒体事業者と配信事業者による広告掲載判断の過程では、広告掲載枠に掲載される広告そのものの表示内容はもちろん、リンク先での表示内容も十分考慮するべきである。なお、広告審査業務において、リンク先ページのどの範囲まで確認する必要があるかについては、その広告の目的[12]や表示内容に基づき、個別に判断することになる。
- (3)新しい広告手法や新しい端末の特性に対する配慮
- インターネットの進歩は日進月歩であり、常に新たな端末やサービスが現れる可能性があり、これに適応する形で新しい広告も開発されることが十分に考えられる[13]。新たな形態の広告において掲載判断をする際には、法的・倫理的な考慮とともに、それらの利用シーンをはじめ、特性、機能、システム、配信方法、配信内容等をよく理解した上で消費者に寄り添って検討し、判断を行う必要がある。
[13]新しい広告も開発されることが十分に考えられる
AIが生成するテキスト、画像、音声、動画等には、学習データに基づき既存の著作物や第三者の肖像、商標等と類似または同一の要素が含まれる可能性や、事実と異なる情報や不適切な表現が含まれる場合もありうるため、留意が必要である。
- 第2章 本則
- (明示事項)
- 第5条
- (1)広告であることの明示
- 広告掲載枠に掲載される広告は、一般に、広告が表示されることが明確であるが、広告であることがわかりにくい場合(例えば、媒体事業者等が編集したコンテンツ等と混在したり、並列したり、リストの上位に広告として掲載される場合や、広告を中心とした特集記事や、いわゆるネイティブ広告[14]等において、消費者等が媒体事業者により編集されたコンテンツと誤認する可能性がある場合など)には、その広告内や周辺に、広告の目的で表示されているものである旨[15]([広告]等の文言・表記)をわかりやすく表示[16]する必要がある[17]。
[14]ネイティブ広告
デザイン、内容、フォーマットが、媒体事業者が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す。[15]広告の目的で表示されているものである旨
消費者が容易に広告の目的であると認識できる必要がある。
[16]([広告]等の文言・表記)をわかりやすく表示
広告であることを明示する場合、[広告]の他、[PR]、[プロモーション]、[スポンサー]、[提供]といった文言が広く使用されている。また、広告主が特定の媒体事業者と提携や協力して行う広告宣伝活動の際には、[タイアップ]、[広告企画]や[協賛]などの文言を用いた表記で関係性が明示されていることもある。原則として、どのような文言・表記を表示するかということより、コンテンツや広告を含む表示内容全体から、消費者にとって広告であることが明瞭となっていることが必要である。そのため、表示する文言については、消費者から見てわかりやすいことが重要であり、[関連リンク]や[おすすめ]等の広告であると認識しづらい文言・表記は避けるべきである。また、消費者が認識しやすいように、端末の特性を考慮した上で、文字の大きさ、文字や背景の色、文言・表記を配置する位置などに留意しながら表示しなければならない。例えば、背景に溶け込むような薄い色の文字や、認識しづらい小さなフォントサイズでの表記、他の情報から著しく離れた場所への表示などは避け、明瞭に表示するようにする。
[17]表示する必要がある
広告掲載枠以外に、例えば、企業等がソーシャルメディア利用者等の第三者に依頼して広告メッセージを投稿する場合、媒体事業者であるソーシャルメディア事業者が投稿ルールや表記を定めて運用することも考えられる。その場合、企業等はそのルールに従う必要がある。
- 広告掲載枠に掲載される広告は、一般に、広告が表示されることが明確であるが、広告であることがわかりにくい場合(例えば、媒体事業者等が編集したコンテンツ等と混在したり、並列したり、リストの上位に広告として掲載される場合や、広告を中心とした特集記事や、いわゆるネイティブ広告[14]等において、消費者等が媒体事業者により編集されたコンテンツと誤認する可能性がある場合など)には、その広告内や周辺に、広告の目的で表示されているものである旨[15]([広告]等の文言・表記)をわかりやすく表示[16]する必要がある[17]。
- (2)広告の主体者の明示
- 広告内容に関する責任の所在を明確にするため、広告には、広告の主体者を明示すべきである。明示に当たっては、広告の主体者である広告主等の名称などを表記することが望ましい。広く公に知られているブランドであれば、そのブランド名やロゴ等を表示することで目的を果たすこともできる。小型の広告枠や、テキスト広告など、解像度や文字数などに技術上の制約がある場合でも、一般の注意義務をもって、何の広告であるのか、広告の主体者が誰であるのかを認識できるよう表示を明確にすることが望ましい。また、ティーザー広告[18]などの広告技法を用いあえて広告の主体者を明示しない場合はこの限りではないが、リンク先を含めた中で、広告の主体者を何らかの方法で明確にすべきである。
広告に広告主名を直接的に表示しない場合は、リンク先等で容易に認識できるべきであり、広告主の住所や連絡先に関する情報をリンク先に記すなど、広告の主体者に関する情報が明確であることが望ましい。
[18]ティーザー広告
情報を断片的に公開するなどして興味を喚起する広告手法
- 広告内容に関する責任の所在を明確にするため、広告には、広告の主体者を明示すべきである。明示に当たっては、広告の主体者である広告主等の名称などを表記することが望ましい。広く公に知られているブランドであれば、そのブランド名やロゴ等を表示することで目的を果たすこともできる。小型の広告枠や、テキスト広告など、解像度や文字数などに技術上の制約がある場合でも、一般の注意義務をもって、何の広告であるのか、広告の主体者が誰であるのかを認識できるよう表示を明確にすることが望ましい。また、ティーザー広告[18]などの広告技法を用いあえて広告の主体者を明示しない場合はこの限りではないが、リンク先を含めた中で、広告の主体者を何らかの方法で明確にすべきである。
- (3)関連性や関係性の明示
- 一つの広告に複数の企業名やブランドを表示することは、責任の所在が不明確となり消費者の誤認を招くおそれがあるので、原則避けるべきである。複数ブランドによる広告であることに必然性がある場合は、主従関係がわかるよう主たる広告主の企業名等の表示を強調するなどして、広告の主体者や企業間の関連性が明確に伝わるよう留意する必要がある。
また、タイアップ広告やスポンサードコンテンツ、コラボ企画などで、広告主と媒体事業者が一体となって広告活動を行う場合は、両者の関係[19]をわかりやすく表示することが必要である。
[19]両者の関係
広告における関係、広告が訴求する商品やサービスの提供における関係など。媒体事業者等が広告を記事調に編集したり、媒体事業者等の特定のコンテンツやコーナーを広告主が提供(スポンサード)したりする場合には、媒体事業者等と広告主の関係がわかるよう両者の名称を明示することが望ましい。
- 一つの広告に複数の企業名やブランドを表示することは、責任の所在が不明確となり消費者の誤認を招くおそれがあるので、原則避けるべきである。複数ブランドによる広告であることに必然性がある場合は、主従関係がわかるよう主たる広告主の企業名等の表示を強調するなどして、広告の主体者や企業間の関連性が明確に伝わるよう留意する必要がある。
- (4)法令等で規定された表示内容の記載箇所
- 法令や業界ごとの公正競争規約、ガイドライン等で広告内に表示を義務付けられているものについては、その表示義務で規定された方法、箇所[20]に表示を行うことが必要である。法令等で表示箇所に指定がないものは、広告そのものの表示面積や文字数、解像度、デザイン等による制約もあるため、広告そのものではなく、広告からのリンク先にわかりやすく記載することで足りるものとする。
[20]表示義務で規定された方法、箇所
法令等による義務以外にも、業界によっては広告の中に決められた文言の表示を求められることがある。
- (禁止事項)
- 第6条
- (1)違法な広告の排除
- 違法な表示[21]を用いた広告、違法な手段による広告、詐欺による広告[22]、他人の名誉を棄損する広告、各種業法に規定された広告表示義務[23]を果たしていない広告は掲載・配信してはならない。また、広告行為自体が違法なもの[24]はもちろん、違法な商品やサービス[25]の広告も掲載・配信してはならない。
[21]違法な表示
景品表示法や特定商取引法等で禁止されている誇大広告、優良誤認、有利誤認など[22]違法な手段による広告、詐欺による広告
著名人等になりすました偽広告や、商標権等を侵害し模倣品販売サイトに誘導する広告を含む。
[23]各種業法に規定された広告表示義務
旅行業法に基づく営業表示や、不動産広告における表示、通信販売における表示など
[24]広告行為自体が違法なもの
海外で合法的に運営されているオンラインカジノに日本国内からアクセスして賭博を行うのは犯罪に当たり、オンラインカジノに関するサイト・アプリの宣伝行為、オンラインカジノに誘導する広告や情報発信などはすべて違法である。
[25]違法な商品やサービス
商品やサービス、広告行為自体は違法でなくても、製造や流通の過程、サービスの提供において違法な手段が用いられているものや用いられている恐れが高いものも含む。
- (2)不正・不当な広告の禁止
- 以下のような不正・不当な広告を掲載・配信してはならない。
- ① 反社会的勢力[26]によるもの
- ② 犯罪を煽動したり、教唆したり、誘引するもの
- ③ 子供の性被害を誘発するもの。性暴力や性犯罪を描写し、助長するもの
- ④ 売買春を助長したり、あっせんするもの
- ⑤ 違法な賭博行為に誘引するもの
- ⑥ プライバシー侵害、誹謗中傷など人権侵害行為に当たるもの
- ⑦ 消費者等を騙したり、脅したり、欺もうしたりするもの。消費者に財産上の被害をもたらすおそれがあるもの
- ⑧ 他者を一方的に攻撃したり、差別したり、嘲笑、侮辱するようなもの
[26]反社会的勢力
暴力団など、反社会的な勢力全般。
- 以下のような不正・不当な広告を掲載・配信してはならない。
- (3)不適切・不快な広告の制御
- 以下のような不適切・不快な広告は掲載・配信すべきではない。
- ① 子供に対する配慮に欠けたもの[27]
- ② 青少年に対し著しく自らの心身の健康を害する行為を誘発するもの
- ③ 消費者を惑わせたり、不安にさせたり[28]するもの
- ④ 射幸心、投機心を煽るようなもの
- ⑤ 性に関する表現が露骨・過激なもの[29]
- ⑥ 劣等感を抱かされるもの、コンプレックスを煽るもの[30]
- ⑦ 醜悪、残虐、嫌悪感を催す表現を含むもの
[27]子供に対する配慮に欠けたもの
いじめ等の加害行為または被害をもたらす危険を伴うものなど。[28]惑わせたり、不安にさせたり
非科学的、迷信に類するものなど。
[29]性に関する表現が露骨・過激なもの
過度な肌露出、性行為を連想させるものなど。
[30]劣等感を抱かされるもの、コンプレックスを煽るもの
広告の受け手を否定的にそそのかす表現、身体的特徴に関するコンプレックスを過度に刺激する表現、恐怖心を煽って商品購入を促す表現など。
- 以下のような不適切・不快な広告は掲載・配信すべきではない。
- (留意事項)
- 第7条
- (1)第三者の権利の保護
- 名誉権、プライバシー権、著作権、商標権、肖像権、パブリシティ権など、第三者の権利については十分尊重するとともに、積極的に保護する必要がある。そのため、それらの権利を侵害するような広告や、侵害する恐れのある広告については掲載・配信すべきではない。また、掲載された広告に対し、権利者から権利侵害である旨を示す合理的な指摘[31]があった場合、その指摘に誠実に対応することが必要である。
[31]合理的な指摘
いわゆるクレームであるが、中には正当な権利を持たない者が勝手に権利者であると主張したり、権利の性質そのものの理解が不足している場合など、必ずしも合理的とは言えないものも多くある。クレームは媒体事業者に対して寄せられることも多いので、媒体事業者においても、主張の内容を冷静に確認する必要がある。合理的な指摘かどうかについて判断がつかない場合は、社内の法務部門や弁護士等の専門家の見解を得るなど適切に対応することを心がける必要がある。
- 名誉権、プライバシー権、著作権、商標権、肖像権、パブリシティ権など、第三者の権利については十分尊重するとともに、積極的に保護する必要がある。そのため、それらの権利を侵害するような広告や、侵害する恐れのある広告については掲載・配信すべきではない。また、掲載された広告に対し、権利者から権利侵害である旨を示す合理的な指摘[31]があった場合、その指摘に誠実に対応することが必要である。
- (2)表現に制約のある広告の掲載判断
- オリンピックやサッカーワールドカップ、万国博覧会などの国際的なイベントで利用されるマークや印象を利用した表現や、著名なキャラクター、ブランドを想起させる表現、国際シンボルマークや福祉に関するマーク、赤十字の標章[32]などその利用に国際的な取り決めがあるものは、法令や慣習により表現に制約がある場合がある。それらの表現が用いられた広告の掲載及び配信においては、その表現方法が適切であるか、慎重な判断が求められることがあるので注意が必要である。
[32]赤十字の標章
赤十字のマークは、本来戦争や紛争時の救護活動を保護するために使用するマークであり、国際的な取り決め(ジュネーブ条約等)や国内の法律により、その使用に制限が設けられている。また、赤十字マークに類似したマークについても、使用が制限されている。
- 第3章 附則
- (自主的な取り組み)
- 第8条
- (1)広告掲載判断情報等の共有について
- 本ガイドラインに記載した取り組みは、会員各社が個別に推進することはもちろん、インターネット広告の関係者全体で協働して推進していくことにより真の価値が発揮されるものである。そのためには、会員各社が本ガイドラインを参考とした広告掲載判断の体制を構築するとともに、掲載判断に用いた情報[33]や、規制当局等の動向等の情報を可能な範囲で共有していくことが極めて重要となる。会員各社においては、当法人での情報共有の機会等[34]を積極的に活用されることを望むものである。
[33]掲載判断に用いた情報
広告審査情報や企業に対する調査情報[34]情報共有の機会等
関連プロジェクト、セミナー等
- 本ガイドラインに記載した取り組みは、会員各社が個別に推進することはもちろん、インターネット広告の関係者全体で協働して推進していくことにより真の価値が発揮されるものである。そのためには、会員各社が本ガイドラインを参考とした広告掲載判断の体制を構築するとともに、掲載判断に用いた情報[33]や、規制当局等の動向等の情報を可能な範囲で共有していくことが極めて重要となる。会員各社においては、当法人での情報共有の機会等[34]を積極的に活用されることを望むものである。