2026.08.06

  • 生成AI広告は「条件が整えば活用してよい」が52.0%。AI活用の明示や権利処理など、透明性への配慮が受容の前提になる。
  • 詐欺広告は各タイプとも70%の認知があり、過去1年以内の接触経験は10~20%台。一方、通報経験は4.9%にとどまる。
  • インターネット広告を「信頼できる」は18.3%で低下傾向が続く。掲載メディアと広告自体の評価が相互に影響する。



 一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(所在地:東京都中央区、理事長:小島伸夫、以下「JIAA」)は、2026年2月に実施した「2026年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」(以下「本調査」)の結果を公表しました。

 JIAAでは2019年から「インターネット広告に関するユーザー意識調査」を継続して実施しており、業界団体としての取り組みがユーザーの理解や体験の向上に資するよう、調査結果に基づき活動を行っています。

 本調査では、急速に広がりを見せている生成AI広告に対するユーザーの受け止めや、社会問題となっている詐欺広告の認知・接触・通報の実態を確認し、引き続き、インターネット広告への信頼度の把握を行いました。調査結果からは、生成AI広告の受容には透明性や適切な権利処理が重視されること、詐欺広告は具体的な通報手段が十分に浸透していないこと、インターネット広告への信頼は低下傾向が続いていることが確認されました。



  1. 生成AIを活用した広告:「条件が整えば活用してよい」が5割超

     生成AIを活用した広告については、「条件が整えば活用してよい」と回答した人が52.0%でした。一方、「積極的に活用すべき」は4.3%にとどまり、一定の受容が見られるものの、無条件に肯定されているわけではないことが分かります。<図表1>

     現在の生成AI広告に対する印象は、「本物らしさがない/不自然」「情報の正確性が心配/信頼できない」「著作権が不安」などのネガティブなイメージが57.6%と、ポジティブなイメージを上回りました。<図表2>

     受け入れやすくする条件としては、「生成AIを活用していることが明記される」が37.6%で最も高く、次いで「法律やガイドラインで規制されている」が30.4%、「実在人物やキャラクターの使用が適切に許諾されていることが明記されている」が26.8%でした。

     生成AI広告の受容には、AI活用の明示や権利処理を含む透明性への配慮が重要と考えられます。

  2. 詐欺広告:約7割が認知。通報経験は4.9%

     投資詐欺誘導広告、なりすまし型投資広告、偽ショッピング広告、偽セキュリティ警告広告など、いずれのタイプも約7割の認知がありました。認知経路は「テレビのニュース・情報番組」が最も多く、「ニュースサイト」や「SNSの投稿・記事」が続きました。<図表5>

     過去1年以内に詐欺広告に接触した経験は、各タイプとも10~20%でした。接触した場所では、動画サイト上の広告が最も多くなっています。一方で、詐欺広告を実際に通報した経験がある人は4.9%にとどまりました。具体的な通報手段(プラットフォームの通報機能や各種官庁・団体の通報窓口等)について「利用したことがある」または「知っている」と回答した人の割合は、各手段とも10~20%台でした。<図表6、図表7、図表8>

     ユーザーには、通報制度自体を広く知らせる必要があり、その上で迷わず通報できるよう、窓口の役割や利用方法を分かりやすく周知するなど、通報しやすい環境を整えることが重要です。

  3. インターネット広告への信頼度:前年から低下し、18.3%

     インターネット広告を「信頼できる」と回答した人は18.3%で、2025年調査の21.6%から低下しました。「信頼できない」とした人は40.7%で、他媒体と比較しても厳しい評価となっています。<図表9、図表10>

     掲載サイト・アプリと広告の評価が相互に影響することも、継続調査の中で改めて確認されました。広告自体が信頼できる内容でも、掲載サイトやアプリが不適切・不快な場合には広告の評価や信頼が下がり、反対に、有名または信頼できるサイトやアプリでも、不快・不適切な広告が表示されると、サイトやアプリへの評価が下がる可能性があることが示されました 。




【調査概要】

調査主体 JIAA ユーザーコミュニケーション委員会
調査エリア 全国
調査対象者 15~69歳 男女個人
対象者条件 PC、タブレット、スマートフォンでインターネットを「ほぼ毎日」利用者
調査方法 Web調査
調査実施機関 株式会社ビデオリサーチ
サンプル数 有効回収 3,591サンプル
割付 住民基本台帳の構成比をもとにウェイトバック集計を実施
レポートに記載する回答者数はWB前、割合はWB後のスコアを掲載
調査期間 2026年2月16日(月)~19日(木)



【調査結果まとめ】

  1. 生成AIを活用した広告の受容性
    • ① 生成AIを活用した広告の受容性

      生成AI広告の受容度については「条件が整えば活用してよい」が最も多く、全体の 52.0%。ただし、「活用すべきではない計(BTM2)」も 43.7%を占めた。どの年代も「活用すべき計(TOP2)」が半数を超えている。特に10代は 66.0% で最も高い。

       
      <図表1> 生成AIを活用した広告の受容性

      【設問文】映像や音声などに「生成AI」を活用した広告について、あなたのお考えに近いものをお知らせください。

    • ② 生成AIを活用した広告への印象

      生成AI広告は「条件が整えば活用してよい」と考える人が半数以上だったものの、現在の生成AI広告への印象としては、ネガティブなイメージの方が多い。メリットは感じているものの、まだ積極的に活用するには整理しなければいけない条件があることが読み取れる。「本物らしさがない/不自然」という印象が最も多く、 26.4%となっている。特に10代では 41.8%で、10代は特に生成AIの不自然さに敏感なことがうかがえる。

       
      <図表2> 生成AIを活用した広告への印象

      【設問文】映像や音声などに「生成AI」を活用した広告について、どのような印象を持ちますか。 (複数回答)

       

    • ③ 生成AI広告が受け入れやすくなる条件

      生成AI広告を受け入れやすくする条件は「生成AIを活用していることの明記」が最も高く、透明性の確保が重視されている。加えて、「法律・ガイドラインによる規制」や「実在人物・キャラクター等の許諾明記」も求められており、安心して接触できる環境整備が重要である。

       
      <図表3> 生成AI広告が受け入れやすくなる条件

      【設問文】映像や音声などに「生成AI」を使った広告を受け入れられる条件があればお知らせください。 (複数回答)

    • ④ 生成AI広告に抵抗感を感じる要素

      生成AI広告で抵抗感が高いのは、故人や実在人物、声・会話など人格的要素を含む表現である。単なる画像生成よりも、本人性や権利に関わる表現ほど慎重な受け止めが強く、許諾や表示の明確化が重要といえる。

       
      <図表4> 生成AI広告に抵抗感を感じる要素

      【設問文】広告の以下の部分が「生成AI」によって作られていた場合、どのように感じますか。
      ※実在人物/キャラクター/故人については、いずれも許諾を得ているケースを想定してください。

  2.  

  3. 詐欺広告への対応・通報制度の浸透状況
    • ① 詐欺広告の認知度(タイプ別)

      インターネット上の詐欺広告は各タイプとも7割前後の認知があり、その存在は広く知られている。いずれの詐欺広告も「テレビのニュース・情報番組」で知った割合が半数程度と最も多く、次いで、「ニュースサイト」、「SNSの投稿や記事」の順番となった。

       
      <図表5> 詐欺広告の認知度(タイプ別)

      【設問文】以下のインターネット上の悪質な広告について、      【設問文】インターネット詐欺広告についての情報は、
           こういった広告が存在することを知っていますか           どのような場所で知りましたか。

    • ②詐欺広告の接触経験

      過去1年以内の詐欺広告への接触(遭遇)経験は2〜3割程度で、生活者が日常的なインターネット利用の中で詐欺広告に触れる可能性があることを示している。動画サイト上の広告で接触するケースが最も多い状況となっている。

       
      <図表6> 詐欺広告の接触経験

      【設問文】インターネット詐欺広告のうち、見たことがあるものをお知らせください。

    • ③詐欺広告の通報経験

      詐欺広告を見聞きした経験がある人は一定数いる一方、実際に通報した経験のある人は5%未満に留まっているのが実情。通報制度の認知拡大を図ることが重要である。

       
      <図表7> 詐欺広告の通報経験

      【設問文】 インターネット詐欺広告が表示された場合、広告配信事業者や公的機関などに通報する仕組みについて、知っている/通報したことがありますか。

    • ④具体的な通報手段の認知・利用経験

      具体的な通報手段については、認知が10~20%台、利用経験は一桁台にとどまった。ユーザーが迷わず通報できるよう、各窓口の役割や利用方法を周知する必要がある。

       
      <図表8> 具体的な通報手段の認知・利用経験

      【設問文】 以下のインターネット詐欺広告を通報する方法について、知っている/実際に通報したことがある方法をお知らせください。

  4.  

  5. インターネット広告への信頼度
    • ①広告への信頼度(メディア別)

      インターネット広告への信頼度は18.3%で他媒体と比べて厳しい評価となっている。また、1年前との信頼度の比較でも、インターネット広告は「信頼できなくなった」(20.9%)が「信頼できるようになった」(13.9%)を上回っている。

       
      <図表9> 広告への信頼度(メディア別)

      【設問文】 以下のメディアに掲載されている広告の「広告主」や「商品・サービス」はどのくらい信頼できますか。

    • ②広告への信頼度の推移

      インターネット広告を「信頼できる」と回答した人は18.3%で、2025年の21.6%から低下した。他のメディアと比べても低下傾向が続いており、信頼回復には継続的な取り組みが必要である。

       
      <図表10> 広告への信頼度の推移

    • ③インターネット広告への信頼度(属性別)

      属性別に見ると、インターネット広告への信頼度には利用状況や意識の違いによる差が見られる。日常的に接触する媒体であるからこそ、年代や利用態度に応じた啓発と、安心して利用できる広告環境の整備が重要である。

       
      <図表11> インターネット広告への信頼度(属性別)

      【設問文】 以下のメディアに掲載されている広告の「広告主」や「商品・サービス」はどのくらい信頼できますか。

    • ④掲載サイトと広告の相互影響

      広告自体が信頼できても、掲載サイトやアプリが不適切/不快な場合、広告自体の評価や信頼が低下する可能性が高い。また、有名/信頼できるサイトやアプリであっても、不快/不適切な広告が出ると、サイトやアプリ自体の評価や信頼が下がるという結果が示されている。
      サイト/アプリ運営側は、不適切な広告を掲載しないことが自社サイト/アプリの信頼の維持において重要となる。

       
      <図表12> 掲載サイトと広告の相互影響

      【設問文】 「インターネットサイトやアプリ」と、掲載されている「広告」が以下のような状況だった場合、あなたの考えに近いものをそれぞれお知らせください。


 
【一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)について】

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(Japan Interactive Advertising Association:略称JIAA)は、1999年5月にインターネット広告推進協議会として発足したインターネット広告の業界団体です。設立以来、デジタルコンテンツやネットワークコミュニケーションを支える経済的基盤であるインターネット広告の社会的責任を認識しながら、ビジネス活動の環境整備、改善、向上を推進しています。現在、インターネット広告の媒体社、広告会社など316社が集まり、消費者保護の観点に基づいたガイドラインの策定、より円滑なビジネス推進のための標準的ルールの整備や調査研究、業界内外への普及啓発などの活動を行い、インターネット広告の健全な発展と社会的信頼の向上に取り組んでいます。
〈本件についての問い合わせ先〉
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)事務局
担当:岡﨑・江村
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目13-5 NREG銀座ビル7階
TEL. 03-6278-8051 FAX. 03-6278-8052 E-mail:sec@jiaa.org
https://www.jiaa.org